毎日の定点観測で店舗状況を把握。
タイムリーな人員調整で店舗スタッフをサポート
- 企業名
- 株式会社クラナド
(店舗名:なつめ薬局ほか)
- 都道府県
- 東京都
- 運営店舗数
- 3店舗
お話をうかがった方
- 代表取締役
- 井上 洋平氏
- 課題
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- 複数店舗になって各店舗の状況が掴みづらくなってきた
- 各店舗の繁忙状況をリアルタイムで把握したい
- 決め手
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- 現場にいなくても店舗の状況が分かる
- レセコンデータの自動収集で集計作業が不要
- 操作が分かりやすく直感的に使える
- 効果
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- その日の状況に応じた即時の人員調整
- データに基づいた現場サポートが可能に
- 働きやすい職場環境を実現
人間関係が密な中小薬局だからこそ居心地のよい空間を
私は2019年に、すでにあった薬局を譲り受ける形で薬局経営を始めました。事業譲渡当初は月500枚程度だった処方箋応需枚数は、直近では月1600枚程度まで増えています。
処方箋枚数が増えてきた理由は、特別なことをしているわけではなく、「断らない」「儲からなくても薬局としてすべきことはする」ということの繰り返しではないかと思います。高額で処方頻度の低い医薬品の処方箋でも対応するとなると、薬局経営としてはリスクにもなります。しかし断ってしまったら、その患者さんの“次”はないと考えています。その1回だけを見れば赤字であってもお応えできることはお応えするという方針でやってきました。その結果、「あの薬局なら対応してもらえる」という認識が広がり、門前以外の処方箋獲得にもつながっています。
また、スタッフが居心地良く働ける空間であることを心掛けてきました。中小の薬局では人間関係が密ですから、楽しく居心地良く働けることは大切だと思っています。
スタッフが安心して働ける環境を作るためにも、店舗の繁忙状況などをいち早く知ることは重要です。当初は1店舗のみでしたし、私も現場に入ることが多かったために店舗の状況把握にはさほど苦労することはありませんでした。しかし、現在は3店舗を経営しています。複数店舗になってくると、各店舗の忙しさなどが把握しづらくなってきてしまい、今まで通りにはいかなくなってきたと感じていました。
店舗の外からでもリアルタイムで薬局の状況が把握できる
digicareアナリティクスを知ったのは、ウィーメックスの営業さんからのご紹介でした。説明を聞いての第一印象は「ほしかった製品と出会えた」でした。運営店舗が複数になったため、店舗にいなくても薬局の状況や売上はもちろん処方箋の枚数、技術料などを把握したいというのは切実な願いでした。
digicareアナリティクス導入前は日報という形で店舗から報告をもらっていたので、その日が終わってからでないと、忙しかったのか、余裕があったのか、売上はどうだったのかはわかりませんでした。しかし、digicareアナリティクス導入後は、店舗からの報告を待たずともリアルタイムで状況が確認することができるようになりました。これは店舗運営上大きなメリットです。
当社の2店舗目の薬局は1店舗目と距離が近いので、繁忙状況がリアルタイムで確認できれば、「応援に行こうか」といった声掛けや手配ができます。こういった対応はその日その時にできるから意味があるのであって、1日が終わってからデータが分かってもどうしようもありません。
リアルタイムでデータを見ていると、「これ以上だと現場はしんどくなるな」というのはだいたいわかります。例えば、日曜日に急に処方箋枚数が増えているのがわかったりしたら、「大丈夫?ヘルプに入ろうか?」など、連絡を入れたりします。平日でも処方箋枚数が多くなっているようであれば、「ほかの店舗から人を回そうか?」など、人員の調整を行っています。データに基づいてこうしたスタッフへの配慮をすることは、目指している「居心地のよい空間づくり」に少なからずつながっているのではないでしょうか。
毎日の定点観測で店舗スタッフをサポート
digicareアナリティクスを導入した今では、1日に数回は確認するようになっています。
まずは朝9時の開局後。開局からの立ち上がりの状況をチェックしています。基幹店舗の門前のクリニックさんは11時からなのですが、新型コロナの感染状況などによっては、11時前に他の医療機関さんからの処方箋がどっと来ることがあるのです。そして、門前のクリニックさんが始まった11時以降と、午後1時ぐらいまでの間の状況を見ます。そういった定点観測で、人員に対して忙し過ぎることが分かれば、私自身も店舗に出たり、他店舗からのヘルプを検討します。
2023年9月に開局の3店舗目の薬局では、出店したばかりの店舗でスタッフも戸惑うこともあると思います。digicareアナリティクスでデータをよく見ながら、スタッフとの情報共有やサポートをこまめに行いたいと思っています。特に営業が終わったあとに、「どうだった?」と声掛けをするにしても、店舗のその日の状況をdigicareアナリティクスで把握した上で声掛けできれば、スタッフの安心感や納得感も大きくなるのではと思っています。
指標管理のために後発医薬品調剤率やお薬手帳持参率などもチェックしています。ただしノルマ的な目標として現場に落とし込んではいません。あくまでポジティブな目標として「この1年で地域支援体制加算が取れるようになると良いね」というように今後の方向性を示すために活用しています。
操作性の良さが実際の使用につながっている
これまでは日報での状況把握だったので、時系列での比較が難しい面がありました。digicareアナリティクスなら対前年比や前月比などが画面操作だけで見られるので、自薬局のトレンドの把握が簡単になりました。
また、後発医薬品調剤率などの指標では、加算の取得へ向けた状況把握にも役立っています。区分が上がるにしろ、下がるにしろ、目安が立てば前もって準備ができますし対策を考えることもできます。
こうした指標が、気になった時に、どこからでも見ることができるのはいいですね。実は当社は電子薬歴のサービス内でもBI(経営指標把握)機能が利用できるのですが、現状ではdigicareアナリティクスで確認する習慣になっています。操作性の高さや画面の見やすさが、digicareアナリティクスの方でついつい確認してしまうことにつながっていると思います。直感的に「薬局の状況は今どうかな」ということが画面でぱっと分かりやすいです。
薬局業界は意外とITに弱い人もいると思うのですが、digicareアナリティクスは誰でも直感的に使いやすい画面ですね。使いやすさは、継続的に活用することにもつながっているのではないでしょうか。
マーケティングの視点に生かせる「患者獲得率」
今後、ぜひ活用していきたいと思っているのが「エリア分析」機能の「患者獲得率」です。当該エリアに住んでいる患者数に対して自店舗がどのくらいの患者を獲得できているのかをマップ上で確認できるので、今後の出店検討にも活用できるデータだと思います。
※画像は患者獲得率の画面サンプルです。
通常、このようなマーケティングデータを入手しようとなると、もちろん有料でかなり高額になるのではないでしょうか。digicareアナリティクスなら月額費用だけで入手できて、さらに自社のレセコンデータを組み合わせて分析できるというのはかなりの付加価値だと思います。出店計画だけでなく、近隣クリニックへの営業活動にも活用できそうです。
「薬局がよりよい経営のために何をしたらよいのか」。その答えが見えづらい時代になってきていると思いますし、店舗によってもその答えは異なるのかもしれません。ただ、患者さんが何を求めているのかに敏感になって、それに薬局のサービスを合わせていくという姿勢が必要なのではないでしょうか。
効果的な施策のためにはマーケティング視点も重要になってくると思います。digicareアナリティクスは、そういった多面的な薬局の施策を後押ししてくれるサービスだと思っています。今後の一層の機能開発にも期待しています。